自己破産とは?

現在、クレジット・ローンやサラ金などを利用して返済が困難に陥っている多重債務者の数は全国でおよそ200万人にも及びます。 平成15年度には、全国で25万人以上の人が自己破産をしてピークを迎えましたが、今後も多くの人が自己破産すると思われます。

自己破産手続きは、多重債務で借金地獄に陥った方が生活再建をするために、国が与えた最終的手段です。 債務者自身が裁判所に申し立てた場合を自己破産といい、裁判所が関与して債務者の全ての財産を換価し、債権者に公平に配当し、そのうえで免責を得られれば、税金などの一部の債務を除き、借金から開放される清算型の法的債務整理の一種です。

全ての財産を投げ出さなければならないので、自宅をもっている人は、これを手放さなくてはなりません。 また、債権者は公平に扱わなければなりませんので、知り合いから借りたお金だけ返すという訳にはいきません。

自己破産の手順

① 地方裁判所に申立書類を提出
申立人の住所地を管轄する地方裁判所に申立書を提出。
ここで書類を受理してもらえれば、9割以上の確率で免責までたどり着けます。

   ↓

② 地方裁判所で審尋
自己破産の申立てをしてから、1~2カ月後に裁判所から呼ばれる。
申立ての内容について裁判官から支払不能になった状況などについての質問を受けます。

   ↓

③ 破産手続開始決定
審問の数日後に破産手続開始決定がなされます。

   ↓

④-1 同時廃止事件
破産者にめぼしい財産がない場合は同時廃止の決定がなされます。

   ↓

④-2 管財事件
債務者に不動産や自動車などのようなめぼしい財産がある場合、「管財事件」と呼ばれる手続きを行う。
場合によっては1年以上かかることもあります。

   ↓

⑤ 官報公告
官報という「国」が発行している新聞に名前や申立てをした裁判所が載ります。(通常一般人は、見ることが出来ません)

   ↓

⑥ 免責許可の審尋 官報公告から、3~4カ月後に裁判所からまた呼ばれ、裁判官と面接して質問を受けます。
裁判官から免責不許可事由があるかどうかなどの質問をされることになります。

   ↓

⑦ 免責決定・免責不許可の決定
免責許可の審尋から1カ月半~2カ月くらい後に借金がゼロになる決定がなされます。
「復権」ともいいます。
ローンやクレジットは今後5~7年くらいは利用できませんが、破産後の資格制限などはこの時点で無くなります。

自己破産のメリット

・申立後は債権者からの請求が止まる。 ・任意整理と同様に一部の債権者を除外できる。
・ギャンブルや浪費が原因でも利用可能。
・将来利息はカットされる。
・裁判所が間に入るので、債務者本人が債権者と交渉をする必要がない。

自己破産のデメリット

・調停が成立すると判決と同じ効力があるので、調停成立後に支払いが遅れると差し押さえをうける可能性がある。
・過払い金が発生していても裁判所は過払い金の回収まではしてくれない。
・手続き中の期間中(3~6ヶ月程度)は一定の職種に就くことが制限されてしまう(資格制限)。
・5~7年程度はブラックリスト(信用情報に事故として記載)に載ってしまう。